2008年8月24日日曜日

まちまちコラム第96号

ユニークなタウンツーリズム(2008.8.24)

近年、地域活性化や地域ブランディングの流れにおいては、都市内観光が結構なブームとなり、国内各所で様々なまちめぐりプログラムが展開されていますね。名所やまちなみ景観を見て回ったり、ご当地グルメや伝統・地場産業等ものづくりの現場を体験するものまで豊富な内容で、これまで有名な観光地でなかった場所を訪れたり、「安近短」のレジャーを楽しめる機会が増えて、生活者としても大助かりです。

私達コンサルタント業界でも、各地に埋もれた資源を発掘し、ひとつのツアー商品や地域ブランド・コンテンツとしてコーディネート、プロデュースできる専門家が求められており、新たな生き残りの道が開けたようにも感じています。願わくば、これが単なるブームで終わらないようにというか、終わらせないように努力していきたいと思っています。

ちなみに、地域を熟知した人による地域資源活用型のツアーづくりを、マス・ツーリズムに対して、「着地型観光」と呼ぶそうです。つまり、出発地側の旅行会社が企画する旅を「発地型」と呼ぶなら、旅行客を受け入れる観光地(到着地)側が企画した旅行を着地型と呼ぼうということなのでしょうね。

国では、旅行業法を緩和(特例措置)し、旅行業者だけに認められる旅行商品販売を圏域内の周遊ツアーなどに限って旅館・ホテルなどができるようにする方向が、これを強力に後押しするものと思われます。

私も何度か参加させて頂きましたが、大阪市内では「九条下町ツアー」がなかなかユニークで、地元九条にお住まいの大阪芸術大学谷口教授と地元ガイドの皆さんが、ご当地スポットを訪ね、商店街のご当地グルメを少しずつ食べ歩き(デパートの試食風)、歴史紙芝居を見たり、谷口先生の同級生やお友達と会話を交わしたりしながら楽しみ、帰りにドーム前で「六甲おろし」を大合唱するイベントや、「阪神寄席」(居酒屋で阪神巨人戦を観戦しながら、巨人攻撃の段になると阪神ファンの落語家さんによる寄席が始まる)などを定期的に開催されています。

しかし、海外にもなかなかユニークなツアーがあるもので、まちなかの監視カメラを見て歩く「Surveillance Camera Outdoor Walking Tours」などは都市ならではの企画だと感じました。

「公共の場に設置された監視カメラは、市民のプライバシーを侵害する」という抗議活動を展開するNew York Survei-llance Camera Players団体が主催するツアーとは、アンチテーゼなのか振興なのかよくわからなくなってしまい、出所そのものが非常にユニークです。ツアーではガイドの解説を聞きながら、路上や公共施設にある監視カメラの設置場所、隠れた監視カメラの見つけ方、監視カメラの意外な働き(本体はあちらを向いているが、実はあんたが監視されてるのよ…なんてことが聞けるらしい)などを実際に見てまわるのだとか。参加費無料というのもうれしいことですね。

はたまた、「セグウェイで行く!サンフランシスコ・ウォーターフロントツアー」(2時間半で片道約7ドル)は、最初45分程度の練習を行ってから出発するもので、初心者向きと経験者向きに分かれて実施されています。日本ではまだまだ珍しいセグウェイは、今年7月19日から兵庫県佐用町のゴルフリゾートで試乗&温泉パックツアーが実施されるようになりました。

私はこれまでセグウェイの機能性について、誰でもただ乗っているだけで簡単に階段ですら昇降できる安全な乗り物と勘違いしていましたが、基本的にセグウェイは移動を円滑にするために開発された乗り物ではないそうで、ある程度の技術も必要であり、様々な利用条件がつけられているそうです。

最後に、究極の「安近短」ツアーをご紹介しましょう。必要なのはインターネットのできる環境のみ。これで「グーグルマップ」に好きな住所を入力して、あとは「ストリートビュー」という機能を使うだけ。都市部のたいてい主要な道路は「ストリートビュー」対応がなされており、気になる道路に沿ってカーソルを進めるだけで沿道の様子が画像で確認することができます。これで私は見知ったまちの状況を見たり、プチ海外旅行気分を味わったりしています。簡易な沿道状況調査にも役立つ優れものなのです。

こうして「グーグルマップ」で各地の名所やまちなみを訪ね、「YouTube」でご当地のイベントを楽しみ、ネット通販でお取り寄せグルメを味わい、「安近短」旅行気分に浸るっていうのが、情報通信技術の賜であり、一方で真の地域交流を阻害する要因にもなっているところが痛し痒しであります。
〔ネットニュースより〕

○大阪商工会議所と堺商工会議所(大阪府)はこのほど、両市のさまざまな産業の現場を訪れる産業観光ツアーの参加者募集を開始した。まほうびんの製造工場や中古車オークション、湾岸施設、ワイナリーなど、個人では見学しにくい施設を訪問し、大阪観光の新たな魅力を体験できるコースは「大阪名物コース」「堺の今と昔コース」「ベイエリアコース」などの6コース。開催は9月から11月。料金は1人500円(移動交通費、入館料、飲食費は実費負担)。詳細は、http://www.osaka.cci.or.jp/b/otona_kengaku/ を参照。

着地型観光はブレークするのではないか?(三菱総研コラム)

文責:chie

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