2009年2月6日金曜日

実況中継・まちづくりの法と政策


一般的な生活者にまちづくりに関わる法制度や政策をわかりやすく解説した名著です。

公害や再開発訴訟を専門に手がける弁護士である著者が行った、愛媛大学都市法政策の集中講義(4日間各4限実施)の模様を再現した本書は、一般的な生活者にもわかりやすく建築や都市計画に関連する法規制を解説し、また個人の権利や生活に不利益を被る場合の対処の仕方等について教えてくれる名著です。

私は文学部出身のため、学生時代に建築や都市計画に関する専門的な知識を得ることがなく、実務に携わりながら必要な部分毎に学んできたこともあって、体系的にわかりやすく整理された本書が非常に新鮮なものに感じられました。講義内容をそのままとりまとめた形式のため、話を聞かせてもらっているようにスラスラと身に馴染んでくるところも魅力です。

著者曰く、「日本の都市に関する法制度は難解きわまりない。官僚がわざと迷宮のラビュリンスを張り巡らせて制度を市民から遠ざけ、自分たちのテリトリーを確保しようとしているとしか思えない。しかし、難解だと嘆いているだけでははじまらない。」

建築や都市計画の法制度といえば縁遠く感じられるかもしれませんが、あらゆる生活者がまちづくりの当事者であり、何らかの形でこれらのシステムに関与する可能性があるのです。私としては、専門的な知識を仕入れて行政や開発者と戦えという意味ではなく、自分の身近な生活環境をよりよいものにするために知っておいた方がよい知識が一杯詰まった一冊として、市民の方々に本書をお薦めすることが多々あります。
(2004.10.23初稿)

現在、Part.4まで刊行されているようです。
(2009.2.6追記)

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